ドイツの量子技術クラスターQVLS-iLabs、第2期に1,500万ユーロの助成
ドイツ政府のClusters4Future構想に基づき、量子技術クラスターQVLS-iLabsの第2期に、今後3年間で1,500万ユーロの資金提供が承認された。研究機関、企業、スタートアップの25パートナーが、トラップドイオン量子コンピューティングと量子計測の産業利用に向けた開発を進める。
発表概要
QVLS-iLabsは、ドイツ・ニーダーザクセン州を拠点とする量子技術の産学連携クラスターである。今回の資金はドイツ連邦研究・技術・宇宙省(BMFTR)がClusters4Future構想を通じて提供する。 第2期では、トラップドイオン量子コンピューティングと量子計測を中心に、産業用途を想定した堅牢な量子部品やシステムの開発に取り組む。産業パートナーのQUDORA Technologiesは、既存のHPC基盤とのオンプレミス統合と単独運用に対応するトラップドイオン量子コンピューターの開発を継続する。 第1期の成果として、量子実験向けオープンソースソフトウェア、複数の特許、電池製造の最適化に向けた量子センサーのユースケースが挙げられている。ブラウンシュヴァイクには350平方メートルのディープテック研究施設が設けられ、新設のQVLS Innovation GmbHがクラスター運営や施設管理、地域での技術移転を担う。
重要ポイント
- QVLS-iLabsの第2期に、今後3年間で1,500万ユーロの資金提供が承認された
- 研究機関、企業、スタートアップから25のパートナーが参加する
- トラップドイオン量子コンピューティングと量子計測の産業移転に重点を置く
- QUDORAはHPC基盤とのオンプレミス統合に対応する量子コンピューターの開発を継続する
- QVLS Innovation GmbHがクラスター運営と研究施設の管理を担う
技術・事業上の意味
技術面では、トラップドイオン量子計算と量子計測について、研究成果を産業向けの部品やシステムへ移すための開発環境が今後3年間維持される点に意味がある。事業面では、共有研究施設と専門の運営会社を通じ、企業やスタートアップが研究成果の利用可能性を検討しやすくなる可能性がある。一方、商用導入件数や売上、QUDORAの量子コンピューターの具体的な性能指標、他社システムとの比較条件は今回の発表に示されていない。
今後の注目点
第2期では、助成資金から具体的にどの開発案件が生まれ、特許や試作機、産業向けユースケースへつながるかが焦点となる。QUDORAについては、量子コンピューターの性能指標と比較条件、HPC基盤との統合事例、外部組織による利用実績が公開されるかが判断材料となる。量子計測分野では、第1期に示された電池製造向け量子センサーが実環境で検証され、導入に結び付くかも重要である。
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