JIJが約8.4億円を調達、AI最適化基盤と量子・古典ミドルウェアを強化
JIJは2026年8月4日、グローバル・ブレインをリードインベスターとする第三者割当増資により、総額約8.4億円を調達したと発表した。資金を数理最適化事業の拡大、AIを活用した最適化プラットフォームの高度化、ゲート型量子コンピュータゲート型量子コンピュータ量子ビットに量子ゲートを順番に作用させて計算する方式。量子回路を組み立ててアルゴリズムを実行する、代表的な量子計算モデル。QI補足量子アニーリングなどとは計算方式が異なる。「ゲート方式」というだけで汎用・大規模な実用計算が可能とは限らず、量子ビット数や誤り率、回路の深さも重要になる。向けミドルウェアの研究開発、海外展開などに充てる。
発表概要
引受先は、グローバル・ブレインが運営する複数のCVCファンドCVCファンドCorporate Venture Capital Fund / CVC Fund事業会社が、スタートアップへの投資や事業連携を目的として設けるベンチャー投資の仕組みやファンド。QI補足純粋な投資リターンだけでなく、技術獲得や提携など戦略目的を持つ場合が多い。出資額と事業上の関与は分けて確認したい。と、富士通ベンチャーズが運営するファンドである。既存投資家による追加出資に加え、三菱電機、ANAホールディングス、ヤマトホールディングスに関連するCVCファンドが新たに参加した。 開発面では、数理最適化向けAIエージェントサービス「JijZept AI」の高度化を進める。同サービスは要件定義、数理モデリング、数値実験のサイクルを支援し、量子プログラミングへの対応も進めている。正式リリースの時期は示されていない。 量子分野では、量子プログラミング言語「Qamomile」を含むゲート型量子コンピュータ向けソフトウェア基盤を強化する。量子コンピュータとHPC、古典最適化技術を組み合わせるミドルウェアを開発し、量子・古典ハイブリッド計算の産業実装を目指す。 事業面では、数理最適化ソリューションの開発・導入体制を拡充するほか、英国とドイツの法人を足掛かりに欧州および米国での展開を進める。研究開発、エンジニアリング、事業開発を担う人員の採用も強化する方針である。
重要ポイント
- 第三者割当増資による調達額は総額約8.4億円で、グローバル・ブレインがリードインベスターを務めた
- 資金を数理最適化事業の拡大、「JijZept AI」の高度化、量子向けミドルウェア開発、海外展開に充てる
- ゲート型量子コンピュータ、HPC、古典最適化を統合する量子・古典ハイブリッド基盤の開発を強化する
- 欧州と米国を中心とする事業展開に加え、研究開発や事業開発の組織体制を拡充する
技術・事業上の意味
今回の調達は、すでに実運用が進む数理最適化を事業基盤としつつ、将来のゲート型量子計算に接続するソフトウェア層へ投資する動きと位置付けられる。業務課題の定式化からAIによるモデリング支援、古典計算古典計算Classical Computing / Classical Computation0と1のビットを使って計算する、現在一般に使われているコンピューターによる計算方式。QI補足量子計算との比較対象として使われるが、CPU、GPU、スーパーコンピュータや専用アルゴリズムまで含み得るため比較条件に注意したい。・HPC・量子計算の統合までを対象としており、量子ハードウェア単体では解決しにくい産業利用上の課題に焦点を置いている。一方、量子計算による具体的な性能向上や調達後の企業評価額は発表されておらず、技術面と事業面の成果は今後の実績で判断する必要がある。
今後の注目点
まずは「JijZept AI」の正式提供時期と、実際の業務でモデリングや数値実験をどこまで自動化できるかが焦点となる。量子・古典ミドルウェアについては、具体的な用途や実機を用いた評価結果、古典手法との比較が示されるかが重要である。事業面では、継続利用される企業案件の増加と、欧州・米国における顧客案件や連携の具体化が判断材料となる。
✍️ Quantum Indexの視点
今回の調達額は約8.4億円と大型ラウンドではなく、既存投資家による追加出資に加え、新たな事業会社系CVCCVCCVCファンド / Corporate Venture Capital Fund / CVC Fund事業会社が、スタートアップへの投資や事業連携を目的として設けるベンチャー投資の仕組みやファンド。QI補足純粋な投資リターンだけでなく、技術獲得や提携など戦略目的を持つ場合が多い。出資額と事業上の関与は分けて確認したい。も参加した。企業評価額や財務状況は公表されておらず、今回の調達の位置付けを現時点で判断することはできない。
また、AIを活用した最適化プラットフォームの高度化、量子ソフトウェア開発、海外展開、人材採用など幅広い投資計画を掲げていることを踏まえると、約8.4億円という調達規模がこれらをどこまで支えられるかも注目点となる。今後は事業の進捗に加え、売上の拡大や追加の資金調達が行われるかも重要な判断材料となるだろう。
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