Fixstars Amplify、GPUアニーリングソルバー「Amplify AE」1.3をリリース
Fixstars Amplifyは、量子インスパイアード技術量子インスパイアード技術Quantum-Inspired Technology / Quantum-Inspired Computing量子計算の考え方や数理手法に着想を得ながら、主に古典コンピュータ上で動作する計算技術。特に組合せ最適化の分野で広く用いられている。QI補足「量子」と付いていても量子ハードウェアを使うとは限らない。発表では実際の計算基盤と、古典手法に対する優位性を確認したい。特に最適化分野では、実用上すでに実用レベルの高い性能を示すソルバーも存在する。(GPUアニーリング)を用いる組合せ最適化組合せ最適化Combinatorial Optimization多数の選択肢の組み合わせから、条件を満たしつつ目的値が最良になる組み合わせを探す最適化問題。QI補足量子計算の代表的な応用候補だが、古典アルゴリズムも非常に強力。量子手法の評価では同等条件での比較が重要になる。ソルバー「Fixstars Amplify Annealing Engine(Amplify AE)」のバージョン1.3をリリースした。新規アルゴリズムを導入し、複雑な制約を含む問題への求解性能を向上させたとしている。
✍️ Quantum Indexの視点
発表内容の背景にある技術・事業上の意味と、数字や見出しだけでは見えにくい評価ポイントを解説します。 独自分析を読む ↓
発表概要
Amplify AEは、GPUによるシミュレーテッド・アニーリングで組合せ最適化問題を解くソルバーである。バージョン1.3では新規アルゴリズムを採用し、人員配置や生産計画など、複数の制約が関係する最適化課題への対応力を高めた。 人員配置の最適化に取り組むA社の事例(下図)では、従来より大規模な人員計画を短時間で作成できるようになったという。新規アルゴリズムの詳細は今回の発表では示されていない。

重要ポイント
- GPUアニーリングを利用する組合せ最適化ソルバー「Amplify AE」のバージョン1.3をリリースした
- 新規アルゴリズムにより、複雑な制約を持つ問題への求解性能を向上させた
- 人員配置や生産計画など、実社会の最適化課題への適用を想定する
- A社の事例では、従来より大規模な人員計画を短時間で作成できたとしている
技術・事業上の意味
複雑な制約を扱う性能の向上は、現実の業務条件を反映した人員配置や生産計画にAmplify AEを適用できる範囲を広げる可能性がある。事業面では、より大規模な計画を短時間で作成できれば、計画立案業務の効率化につながり得る。ただし、発表だけでは改善幅や比較条件、求解性能向上が期待できる問題の種類は判断できない。
今後の注目点
今後は、従来版との計算時間や解の品質の比較、新規アルゴリズムが有効な制約条件と問題規模が示されるかが焦点となる。A社事例の規模や運用条件に加え、人員配置以外の生産計画などで導入事例が広がるかも、実用性を判断する材料となる。
✍️ Quantum Indexの視点
今回の発表で重要なのは、量子インスパイアード量子インスパイアード量子インスパイアード技術 / Quantum-Inspired Technology / Quantum-Inspired Computing量子計算の考え方や数理手法に着想を得ながら、主に古典コンピュータ上で動作する計算技術。特に組合せ最適化の分野で広く用いられている。QI補足「量子」と付いていても量子ハードウェアを使うとは限らない。発表では実際の計算基盤と、古典手法に対する優位性を確認したい。特に最適化分野では、実用上すでに実用レベルの高い性能を示すソルバーも存在する。型最適化ソルバの速度向上そのものより、現実の業務で避けられない「複雑な制約」を含む問題への対応力を高めた点にある。人員配置や生産計画では、勤務条件や工程順序など多数の制約を扱えるかが実用性を左右するため、この部分の改善はAmplify AEの適用範囲を広げる可能性がある。
一方、発表資料からは新規アルゴリズムの仕組みや、従来版に対する計算時間・解の品質の改善幅は明らかではない。A社事例では求解性能の向上が示されているものの、どのような制約条件や問題規模で同様の改善が期待できるのかは、今回の発表からは判断できない。
なお、今回更新されたAmplify AEはGPUを用いる量子インスパイアード型のソルバーだが、Amplifyの計算基盤が量子インスパイアードに限定されるわけではない。Amplify SDKはAmplify AEに加えて、他社製量子インスパイアードソルバ、種々の量子アニーリング量子アニーリングQuantum Annealing量子ゆらぎを利用して、組合せ最適化問題などの良い解を探索する計算手法。問題をエネルギーが低い状態を探す形に変換して解く。QI補足量子アニーリングは、汎用的なゲート型量子コンピューターとは異なり、最適化問題を解くことに特化した方式である。1990年代に西森秀稔氏らが理論的に提案し、現在はD-Waveが代表的な商用システムを開発している。性能を見る際は、量子ビット数だけでなく、問題の埋め込み方や古典手法との比較条件も確認したい。やゲート型量子コンピュータゲート型量子コンピュータ量子ビットに量子ゲートを順番に作用させて計算する方式。量子回路を組み立ててアルゴリズムを実行する、代表的な量子計算モデル。QI補足量子アニーリングなどとは計算方式が異なる。「ゲート方式」というだけで汎用・大規模な実用計算が可能とは限らず、量子ビット数や誤り率、回路の深さも重要になる。、そのエミュレータを含む複数の実行環境に対応しており、AEの性能向上はその選択肢の一つを強化するものと捉えられる。今後は、新規アルゴリズムが有効な問題特性がどこまで明確になるかに加え、実際の業務課題で各バックエンドがどう使い分けられるかも評価のポイントになる。
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