Qblox、QuantWare製QPUでオープン型量子制御基盤を構築
Qbloxは、QuantWareの超伝導QPU「Soprano-D5」を中核とするQubit Labを構築し、制御電子機器のノイズ、磁束制御、ゲート忠実度を実動条件下で評価している。直接磁束バイアスとデジタル事前補償を組み合わせた2量子ビットゲートも実証した。
発表概要
Qubit Labは、Soprano-D5のほか、Maybellのクライオスタット、Delft Circuitsの配線、Qbloxの制御ハードウェア、QuantrolOxのソフトウェアを統合した実験環境である。新たな制御手法やアルゴリズムを量子プロセッサー上で開発、検証できる構成となっている。 Qbloxは同環境を使い、制御電子機器のノイズ水準、磁束制御、ゲート忠実度を評価している。直接磁束バイアスにデジタル事前補償を組み合わせ、高忠実度の2量子ビットゲートを実証したとしているが、具体的な忠実度は示していない。 同社は2025年と2026年のAPS March Meetingsで、bias-Tを使わない磁束バイアスと、スイートスポットにおけるQubit Control Moduleの低ノイズ動作に関する成果を発表した。公開中のQblox製ノートブックもSoprano-D5上で検証されている。
重要ポイント
- 複数ベンダーのQPU、冷却装置、配線、制御ハードウェア、ソフトウェアを一つの実験環境に統合した
- Soprano-D5を共通の実機基盤として、ノイズ、磁束制御、ゲート忠実度を評価している
- 直接磁束バイアスとデジタル事前補償による高忠実度2量子ビットゲートを実証したが、忠実度の数値は明らかにしていない
- 公開されているQbloxの全ノートブックをSoprano-D5上で検証している
- 今後は21量子ビットQPU「Contralto-D21」を導入し、より大規模で複雑な環境に拡張する計画である
技術・事業上の意味
本事例は、異なる企業が提供する量子プロセッサー、周辺機器、制御系、ソフトウェアを組み合わせた環境で、量子制御技術を実機評価できることを示す。安定したQPUを共通のテスト基盤として使うことで、制御電子機器やシステム統合手法の反復検証を進めやすくなる可能性がある。一方、性能向上の定量値、導入費用、他方式との比較、商用展開の規模は今回の記事からは判断できない。
今後の注目点
次の焦点は、21量子ビットのContralto-D21を組み込んだ際にも、現在の制御精度や低ノイズ動作を維持できるかである。2量子ビットゲート忠実度などの定量値や、繰り返し冷却時の再現性が示されれば、基盤の性能をより具体的に評価できる。さらに、複数ベンダー構成での運用成果や、研究用途を超えた導入事例が公開されるかも事業性を判断する材料となる。
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