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XanaduとGlobalFoundries、光量子向けPIC量産へ 300mmラインでSiN・SNSPDを工業化

Xanadu Quantum TechnologiesとGlobalFoundries(GF)は、光量子コンピューターPhotonic Quantum Computer / Optical Quantum Computer光子や光の量子状態を情報の担い手として利用し、量子計算を行う量子コンピューター。QI補足光子生成、損失、検出、集積化などが性能を左右する。量子ビット数だけでなく、損失率や光源・検出器の性能も見たい。向け部品の量産体制構築を目的とする複数年の戦略的提携を発表した。GFの300mm生産ラインを使い、超伝導ナノワイヤ単一光子検出器(SNSPD)と超低損失窒化シリコン(SiN)フォトニクスの工業化に取り組む。

✍️ Quantum Indexの視点
発表内容の背景にある技術・事業上の意味と、数字や見出しだけでは見えにくい評価ポイントを解説します。 独自分析を読む ↓

発表概要

提携では、Xanaduが持つ超低損失フォトニクスの設計・プロセス開発技術と、GFの半導体量産技術を組み合わせる。初期段階では、ニューヨーク州マルタにあるGFの300mm生産ラインへXanaduのSNSPDとSiNプラットフォームを移管する。 SNSPDは、単一の光パルスに含まれる光子数を判別する光子数分解(PNR)検出器として用いられる。Xanaduは、高効率のSNSPDと光の信号損失を抑えるSiN光回路の統合により、光量子コンピューターの処理速度向上と、必要なチップ量の削減を見込む。 両社は高性能量子モジュールに関する追加開発も検討している。提携の成果は、Xanaduが今後開発する耐故障性実証機や、将来の量子データセンター向けハードウェアの製造基盤として活用する想定である。

重要ポイント

  • XanaduとGFが、光量子部品の量産に向けた複数年の戦略的提携を締結した
  • 初期対象は、SNSPDと超低損失SiNフォトニクスの工業化である
  • GFがニューヨーク州マルタに持つ300mm生産ラインを利用する
  • XanaduはSNSPDとSiN光回路の統合によるシステム高速化とチップオーバーヘッド削減を見込む
  • 生産開始時期、製造数量、投資額、歩留まり、商用システムの提供時期は明らかにされていない

技術・事業上の意味

技術面では、光量子コンピューティングを構成する検出器と低損失光回路を、研究室規模の試作から商用半導体ラインへ移す取り組みである。技術移管と安定生産が実現すれば、耐故障性システムに必要な部品を量産する基盤になり得る。 事業面では、XanaduがGFの既存製造設備と量産ノウハウを利用する道筋を設けた点に意味がある。ただし、性能向上や量産化は将来予測であり、歩留まり、品質、製造量などの達成状況は現時点で示されていない。

今後の注目点

今後は、300mmラインへの技術移管が進み、生産開始時期や製造規模が具体化するかが焦点となる。量産品の歩留まりと品質に加え、SNSPDの効率やSiN光回路の損失が実システムでどの程度維持されるかも重要である。さらに、処理速度とチップオーバーヘッドの改善結果、高性能量子モジュールや耐故障性実証機への採用状況が判断材料となる。

✍️ Quantum Indexの視点

Xanaduが光量子コンピューターPhotonic Quantum Computer / Optical Quantum Computer光子や光の量子状態を情報の担い手として利用し、量子計算を行う量子コンピューター。QI補足光子生成、損失、検出、集積化などが性能を左右する。量子ビット数だけでなく、損失率や光源・検出器の性能も見たい。の中核となるPIC(光集積回路フォトニック集積回路 / Photonic Integrated Circuit / PIC光を導く導波路や変調器、分岐器などの光学部品を、半導体チップ上に集積した回路。QI補足量子用途に限らず通信やセンシングでも使われる。量子関連の発表では、光源や検出器までどこまで一体化しているかを確認したい。)と光子検出器を、研究室レベルの試作から300mm半導体量産ラインへ移そうとしている点だ。GFへ移管する超低損失SiNフォトニクスは、光をチップ上で導き、干渉・処理するための基盤であり、XanaduはSNSPDと合わせて自社アーキテクチャの中核に位置付けている。

光量子コンピューターは「光を使うため室温で簡単に作れる」というほど単純ではない。光源、干渉回路、スイッチ、検出器、光ファイバー、パッケージングなど多数の要素が必要で、研究機として構築すると装置全体は大型になりやすい。実際、OptQCが産総研G-QuATで稼働させているMoQurenのように、時間多重・ループ型によって必要な光学系を抑えたアーキテクチャであっても、商用機としては相応のシステム規模になる。OptQCはさらに100万量子ビットQuantum Bit / Qubit量子コンピュータで情報を表す基本単位。0と1のどちらかだけでなく、それらを重ね合わせた量子状態を取れる。QI補足量子ビット数が多いほど必ず高性能とは限らない。誤り率、接続性、コヒーレンス時間や論理量子ビット数も重要になる。級を見据え、波長多重や新たなシステムアーキテクチャ、サプライチェーン構築を進めている。

ただし、ここで「すべての光量子コンピューターが将来PICへ置き換わる」と考えるのは早い。OptQCのループ型のように、アーキテクチャそのものによって光学素子数を抑える方式もあり、長い光遅延などでは低損失な光ファイバーを残す方が合理的な場合もある。PIC化は必ずしも必要な光学機能を減らすものではなく、それらを小型化し、調整箇所や組立工数を減らし、再現性の高い部品として量産しやすくする技術と捉えた方がよい。

その点でXanaduの戦略は比較的明確だ。PICとSNSPDをGFの既存半導体製造基盤へ載せられれば、Xanadu自身がすべての部品を一品物として製造する必要はなくなる。これまでのASMLやBlueforsなどとの協業も含め、量子コンピューターを一社ですべて作るのではなく、半導体、フォトニクス、冷却など既存産業の専門企業を組み合わせて製造サプライチェーンを構築する方向が見えてくる。

もっとも、300mmラインへの技術移管と量産確立は同義ではない。SiN PICの低損失性能やSNSPDの検出性能を量産工程でも維持できるのか、歩留まりをどこまで高められるのか、製造コストや実際の供給量はまだ示されていない。今回の提携の評価を左右するのは、「300mmで作れる」という看板ではなく、そこで製造されたPICと検出器が実際に耐故障性実証機へ組み込まれ、再現性のある量産部品として機能するかどうかだ。

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出典

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