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Xanaduと三菱ケミカル、量子計算によるEUV材料研究を第2段階へ

Xanadu Quantum Technologiesと三菱ケミカルは、量子アルゴリズムを活用した半導体製造技術研究の第2段階を開始した。EUVリソグラフィー材料の量子シミュレーションと既存の材料モデルを接続し、放射線に起因するぼけを予測するソフトウェア工程の構築を目指す。

✍️ Quantum Indexの視点
発表内容の背景にある技術・事業上の意味と、数字や見出しだけでは見えにくい評価ポイントを解説します。 独自分析を読む ↓

発表概要

第1段階では、EUVリソグラフィーで使うフォトレジストの光学特性について、量子アルゴリズムによるモデル化を実証した。第2段階では、Xanaduの量子シミュレーションから得たパラメーターを三菱ケミカルのマルチスケールモデルへ直接組み込み、ぼけを予測する実用工程の開発を進める。 両社は、ぼけを抑える材料の探索に利用できる、フォールトトレラント量子コンピューティングFTQC / Fault-Tolerant Quantum Computing / FTQC量子誤り訂正を用い、物理的なエラーが起きても正しい計算を続けられるようにする、将来の本格的な量子計算の方式。QI補足量子誤り訂正の実証とFTQCの実現は同義ではない。論理エラー率、必要な物理量子ビット数、論理ゲート性能などが重要になる。(FTQC)対応のソフトウェアパイプラインを目標としている。カナダ側ではNRC IRAP、日本側ではSIPが支援し、関連するSIPプロジェクトは産業技術総合研究所とG-QuATが主導する。第2段階の資金額、開発期間、商用化時期は公表されていない。

重要ポイント

  • 量子シミュレーション由来のパラメーターを、三菱ケミカルのマルチスケールモデルへ統合する
  • EUVリソグラフィーにおける放射線起因のぼけを予測し、抑制材料の探索につなげる
  • FTQCに対応可能なソフトウェアパイプラインの構築を目指す
  • NRC IRAPとSIPが支援し、SIP側では産総研とG-QuATが関連プロジェクトを主導する
  • 第2段階の具体的な資金額、期間、商用化時期は明らかにされていない

技術・事業上の意味

量子計算の単独性能を示すだけでなく、その出力を既存の材料・製造モデルへ組み込む産業ワークフローを目標とする点に技術的な意味がある。実用化できれば、EUVレジスト材料の探索やぼけ予測が初期FTQCの用途候補となり得る。事業面では日加の公的支援を受けた共同研究の具体化に当たるが、予測精度の向上や材料開発への効果、商業的価値は現時点で実証済みではない。

今後の注目点

今後は、量子シミュレーションと三菱ケミカルのモデルを接続した具体的な実証結果や、従来手法と比べたぼけ予測の精度が焦点となる。材料候補の特定までパイプラインを適用できるかに加え、Xanaduが示すFTQC活用のロードマップも判断材料となる。第2段階の資金規模、開発期間、実用化に向けた工程が公表されるかも注目点である。

✍️ Quantum Indexの視点

今回の研究は、三菱ケミカルが日々の材料開発で量子コンピューターを直接使う、というものではない。Xanaduが量子計算によって材料の特性に関するパラメータを求め、その結果を三菱ケミカル側が受け取り、既存のマルチスケールモデルや古典計算Classical Computing / Classical Computation0と1のビットを使って計算する、現在一般に使われているコンピューターによる計算方式。QI補足量子計算との比較対象として使われるが、CPU、GPU、スーパーコンピュータや専用アルゴリズムまで含み得るため比較条件に注意したい。に組み込んで使う構成だ。

言い換えれば、量子コンピューターが材料開発の全工程を担うのではなく、古典計算に渡すための高精度な入力値を作る役割に近い。第2段階では、そのパラメータを使うことで、EUV露光時のぼけ予測や材料探索の精度をどこまで高められるかが焦点になる。

このため評価すべきなのは、「三菱ケミカルが量子コンピューターを業務利用し始めたか」ではなく、Xanaduの量子計算で得た情報が、三菱ケミカルの既存の計算工程に実際どれだけ価値を加えるかだ。量子由来のパラメータを使った場合と、従来手法だけの場合で予測精度や材料選定にどの程度差が出るかが、今後の重要な評価軸になる。

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出典

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