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Fixstars Amplify SDK、富士通製の超伝導量子コンピュータ「システムF」に対応

Fixstars Amplifyは産業技術総合研究所のG-QuATと連携し、最適化問題の開発環境「Fixstars Amplify SDK」を、ABCI-Qで提供される富士通製の超伝導量子コンピュータ超伝導方式 / Superconducting Quantum Computing / Superconducting Qubit超伝導回路を極低温で動作させ、電気的な量子状態を量子ビットとして利用する量子コンピュータの実装方式。QI補足高速なゲート操作などが特徴だが、性能は量子ビット数だけでは決まらない。ゲート忠実度、コヒーレンス時間、接続性、誤り訂正への対応も確認したい。「システムF」に対応させた。既存コードのソルバー指定部分を変更することで、同システムを使った組合せ最適化Combinatorial Optimization多数の選択肢の組み合わせから、条件を満たしつつ目的値が最良になる組み合わせを探す最適化問題。QI補足量子計算の代表的な応用候補だが、古典アルゴリズムも非常に強力。量子手法の評価では同等条件での比較が重要になる。を実行できる。

発表概要

今回公開されたAmplify Quantum 1.3には、オープン量子コンピューティングプラットフォーム「OQTOPUS」に対応するOqtopusClientが追加された。これにより、Amplify SDKの既存コードをほぼ維持したまま、ソルバー指定部分の数行を変更することでシステムFを利用できる。 システムFはABCI-Qを構成する超伝導量子コンピュータで、現在は64物理量子ビットPhysical Qubit量子プロセッサ上で実際に作られ、操作される個々の量子ビット。論理量子ビットを構成するためにも使われる。QI補足搭載数が多くても、そのまま実用計算能力を意味しない。誤り率や接続性、論理量子ビットに必要な個数も重要になる。を搭載する。将来は256物理量子ビットまで拡張可能な設計を採用している。ユーザーは統一的なインターフェースを通じ、同じ最適化問題をABCI-Q上の異なる量子・古典ハードウェアで実行し、結果や性能を比較できる。 OQTOPUSは大阪大学、富士通、セック、TISを中心に開発されており、複数の量子コンピュータや量子シミュレータQuantum Simulator / Quantum Computing Simulator量子コンピュータの計算や量子系の振る舞いを、古典コンピュータなどで模擬するソフトウェアや計算環境。QI補足実機の量子プロセッサとは異なり、ノイズの有無や再現できる量子ビット数は方式によって異なる。実証結果では使用環境を確認したい。への統一的なアクセスを提供する。OqtopusClientの開発成果は、NEDOの委託事業によるものである。

重要ポイント

  • Amplify Quantum 1.3に、OQTOPUS対応のOqtopusClientを追加した
  • ソルバー指定部分を変更することで、既存のAmplify SDKコードからシステムFを利用できる
  • システムFは現在64量子ビットQuantum Bit / Qubit量子コンピュータで情報を表す基本単位。0と1のどちらかだけでなく、それらを重ね合わせた量子状態を取れる。QI補足量子ビット数が多いほど必ず高性能とは限らない。誤り率、接続性、コヒーレンス時間や論理量子ビット数も重要になる。を搭載し、256量子ビットまで拡張可能な設計である
  • 同一の最適化問題を複数の量子・古典ハードウェアで実行し、比較できる

技術・事業上の意味

技術面では、最適化問題を記述するコードと実行先のハードウェアを分離し、量子・古典ソルバーを切り替えやすくした点に意味がある。利用者は問題の大幅な書き直しを避けながら、国内の超伝導量子コンピュータを比較検証の対象に加えられる。事業面では、ABCI-Q上の国産計算資源へのアクセス経路が増え、量子・HPCハイブリッド環境を使った用途探索を進めやすくなる可能性がある。一方、具体的な求解性能や利用料金、商用利用条件、提供範囲は今回の発表では示されていない。

今後の注目点

今後は、システムFと他の量子・古典ソルバーを同一問題で比較した際の求解精度、処理時間、適用可能な問題規模が重要な判断材料となる。ABCI-Qの利用対象や料金、商用利用条件がどこまで明確になるかに加え、実際の導入事例が示されるかも焦点である。256物理量子ビットへの拡張状況と、それが最適化計算の実用性にどう結び付くかも見極める必要がある。

✍️ Quantum Indexの視点

Fixstars Amplifyの強みは、対応する量子ハードウェアが多いことだけではない。独自開発の量子インスパイアード量子インスパイアード技術 / Quantum-Inspired Technology / Quantum-Inspired Computing量子計算の考え方や数理手法に着想を得ながら、主に古典コンピュータ上で動作する計算技術。特に組合せ最適化の分野で広く用いられている。QI補足「量子」と付いていても量子ハードウェアを使うとは限らない。発表では実際の計算基盤と、古典手法に対する優位性を確認したい。特に最適化分野では、実用上すでに実用レベルの高い性能を示すソルバーも存在する。ソルバーは現時点でも高い性能を持ち、実務で使える性能を提供しながら、量子ゲート方式量子ビットに量子ゲートを順番に作用させて計算する方式。量子回路を組み立ててアルゴリズムを実行する、代表的な量子計算モデル。QI補足量子アニーリングなどとは計算方式が異なる。「ゲート方式」というだけで汎用・大規模な実用計算が可能とは限らず、量子ビット数や誤り率、回路の深さも重要になる。を含む将来の選択肢も着実に広げている。

量子関連企業の多くが実証実験や将来構想の発表にとどまる中、Fixstars Amplifyには、自身の発表だけでなく、ユーザー公表の運用例(国内)が複数ある。基礎研究から本番運用までを一つの製品でカバーし、量子技術を「試した」で終わらせず、実業務まで持ち込めるカバレッジは、同業他社と比べても頭一つ抜けている。

今回のシステムF対応は直ちに優位性を生まない。しかし、今は量子インスパイアード技術で価値を出し、将来は有力な量子ハードウェアへ簡単に移行できる。そのような基盤を着実に整えている点が、本質的な価値だろう。量子ビットQuantum Bit / Qubit量子コンピュータで情報を表す基本単位。0と1のどちらかだけでなく、それらを重ね合わせた量子状態を取れる。QI補足量子ビット数が多いほど必ず高性能とは限らない。誤り率、接続性、コヒーレンス時間や論理量子ビット数も重要になる。数競争やロードマップに比べれば地味だが、「今使える」と「将来使える」技術を同時に積み上げ続けている企業は意外に少ない。

対応バックエンドは国内外に広がる一方、自身の海外での存在感は未だ十分に広がっていない点は課題である。

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出典

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