Qblox、スピン量子ビット向け統合試験ラボをデルフト本社で稼働

Qbloxは、オランダ・デルフト本社にスピン量子ビット向けの「Spin Qubit Lab」を構築し、測定を開始した。実デバイスを使い、制御機器やファームウェア、測定手順、外部企業のソフトウェアを一体的に検証する試験環境である。

発表概要

Spin Qubit Labは、Bluefors製希釈冷凍機、量子ドットデバイス、Qbloxの制御電子機器、測定・自動化ソフトウェアを統合した施設である。現在はSemiQon製のシリコンMOS量子ドットデバイスを冷凍機内に搭載し、ベース温度で測定している。 制御にはQbloxのClusterとDC Clusterを使用する。同期した多チャンネル信号の生成・取得、安定したDC供給、ベースバンド制御、読み出し、高速フィードバックを単一のシステムで扱う構成だ。DC Clusterはグラウンドループを抑え、量子ドット制御に影響する商用電源由来の干渉低減を図っている。 ソフトウェア面では、Qblox Schedulerを使ったスピン量子ビット向け測定手順を実デバイス上で検証する。QuantrolOxのソフトウェアも組み込み、電荷安定性マッピング、量子ドットの調整、特性評価を自動化している。 施設は欧州のARCTICとSCALLOPから資金提供を受ける。Qbloxは追加配線を整備し、将来はより大型のデバイスや、Si/SiGe、ゲルマニウム系を含む複数の材料・構造を測定する計画を示している。

重要ポイント

  • 希釈冷凍機から制御機器、測定ソフトウェアまでを統合したスピン量子ビット試験環境がすでに稼働している。
  • SemiQon製シリコンMOS量子ドットデバイスをBluefors製希釈冷凍機に搭載し、測定を実施している。
  • ClusterとDC Clusterにより、DC供給、信号生成・取得、読み出し、高速フィードバックを同期して扱う。
  • Qblox Schedulerの測定手順とQuantrolOxの自動調整・特性評価ソフトウェアを実機で検証している。
  • ARCTICとSCALLOPが研究目標、協業枠組み、資金面を支えている。

技術・事業上の意味

技術面では、スピン量子ビットの実デバイスを常設環境で運用することで、制御ハードウェア、ファームウェア、測定手順、自動調整ソフトウェアを同じ条件下で統合・評価できる点に意味がある。低雑音DC制御、チャンネル間同期、高速フィードバック、自動調整を一つのスタックで扱う構成は、デバイス大型化に伴う制御の複雑化や調整負担への対応を狙うものだ。 事業面では、自社製品の検証に加え、パートナー企業のデバイスやソフトウェアを組み合わせた実演環境として利用できる。超伝導量子ビット向けラボと合わせ、Qbloxの社内検証対象を複数の固体量子ビット方式へ広げる。ただし、量子ビット数や制御性能の定量値、顧客での導入実績、商用提供の時期は今回の発表に含まれていない。

今後の注目点

次の焦点は、追加配線の整備後に、より大型のデバイスやSi/SiGe、ゲルマニウム系で測定実績が示されるかである。同期制御や高速フィードバック、雑音低減について定量的な評価結果が公表されれば、統合構成の有効性を判断しやすくなる。自動調整による作業時間の短縮効果と、ラボでの検証がパートナー連携や外部利用の具体例につながるかも重要な観測点となる。

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出典

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