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Q-CTRL、IBM Heronで100量子ビットQFTを実行 独自コンパイルで従来実証の2倍規模

Q-CTRLは、156量子ビットQuantum Bit / Qubit量子コンピュータで情報を表す基本単位。0と1のどちらかだけでなく、それらを重ね合わせた量子状態を取れる。QI補足量子ビット数が多いほど必ず高性能とは限らない。誤り率、接続性、コヒーレンス時間や論理量子ビット数も重要になる。のIBM Heron r3プロセッサ上で、最大100量子ビットの量子フーリエ変換(QFT)を実行した。独自のコンパイル手法と誤り抑制を組み合わせ、全テスト回路で正しい対象周波数が唯一の最頻出結果になったとしている。

発表概要

実験では、50、80、100量子ビットのレジスタに周期信号を符号化し、QFTによって対象となる整数周波数を抽出した。100量子ビットを含む全テスト回路で、正解ビット列が測定結果の唯一の最頻値となった。50量子ビットでは正解の出現頻度が最大の不正解結果の8.4倍、ユニタリ過程忠実度は11.4%だった。80量子ビットではそれぞれ7.5倍、1.8%となった。 Q-CTRLは、単一の補助量子ビットを用いる「Convolutional QFT」を採用した。処理を小規模なカーネルに集約してレジスタ上を順次移動させることで、各量子ビットに影響するもつれゲートを減らす設計である。動的デカップリング、微小回転の打ち切り、処理時間の精密な調整、読み出し誤差緩和も併用した。 同社によると、IBM Heron向けのn量子ビットQFTに必要なCXゲート数はn²−n+2であり、理想的な全結合構成のn²−nに近い。接続制約に伴うルーティング負荷を抑え、実機QFTの従来実証に対してレジスタ幅を2倍に広げたとしている。

重要ポイント

  • 156量子ビットのIBM Heron r3を使用し、最大100量子ビットのQFTを実行した。
  • 100量子ビットを含む全テスト回路で、正しい対象周波数が唯一の最頻出結果となった。
  • 50量子ビットの過程忠実度は11.4%、80量子ビットでは1.8%だった。100量子ビット時の値は記事で示されていない。
  • Convolutional QFTと動的デカップリングなどを組み合わせ、もつれゲートによるノイズ蓄積とルーティング負荷を抑えた。
  • CXゲート数をn²−n+2とし、理想的な全結合構成に近いゲート効率を実現したとしている。

技術・事業上の意味

QFTは位相推定や素因数分解などを構成する主要な処理であり、その大規模な実機実行ではノイズの蓄積と量子ビット間の接続制約が課題となる。今回の結果は、ハードウェアに合わせたコンパイルと能動的な誤り抑制により、誤り耐性量子計算以前のプロセッサでも100量子ビット規模の状態から対象信号を抽出できる可能性を示した点に技術的な意味がある。 事業面では、既存ハードウェアの回路実行性能をソフトウェア側から引き出す技術の利用可能性を示す成果である。ただし、100量子ビット時の過程忠実度、同一条件での他方式との比較、実用的な計算優位性や商用案件への適用は今回の記事だけでは判断できない。

今後の注目点

今後の判断材料は、記事で示されていない100量子ビット時の過程忠実度や測定回数を含む詳細な実験データである。同一条件での既存手法との比較や第三者による再現に加え、別の回路やハードウェアでも同様に効果を得られるかが焦点となる。さらに、位相推定などQFTを含むアルゴリズム全体での実証や、Q-CTRLの提供技術、顧客案件への組み込みが具体化するかも重要となる。

✍️ Quantum Indexの視点

今回の成果で注目すべきなのは、100量子ビットQuantum Bit / Qubit量子コンピュータで情報を表す基本単位。0と1のどちらかだけでなく、それらを重ね合わせた量子状態を取れる。QI補足量子ビット数が多いほど必ず高性能とは限らない。誤り率、接続性、コヒーレンス時間や論理量子ビット数も重要になる。という規模そのものより、ノイズの大きい実機上でもQFTの正解に対応する周波数を、測定結果の最大ピークとして識別できた点にある。QFTを高忠実度で再現したという成果ではなく、コンパイルや誤り抑制を組み合わせることで、実用上必要な「答えを取り出せる状態」を100量子ビット級まで維持したことに意味がある。

実際、過程忠実度は50量子ビットで11.4%、80量子ビットでは1.8%まで低下している。それでも正解ビット列が唯一の最頻値となったことは、演算全体の忠実度が低下しても、目的とする答えを識別できる場合があることを示している。Q-CTRLの性能管理・誤り抑制技術はすでにQiskit FunctionsとしてIBM Quantum Platform上で提供されており、今回の実証には、同社のソフトウェアが100量子ビット級の実回路でも有効に機能することを示す製品デモとしての側面もあるのだろう。

一方、100量子ビット時の過程忠実度や正解の絶対的な出現率、測定回数は示されていない。同一条件で他のコンパイル・誤り抑制手法と比較した場合の優位性や、位相推定などQFTを含むアルゴリズム全体でも同様に答えを取り出せるかが、今回の成果の実用的な価値を判断する次の材料になる。

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出典

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