D-WaveのCFOが退任、グレッグ・ゴルコフ氏が代行に就任
D-Wave Quantumは2026年8月25日、最高財務責任者(CFO)のジョン・マルコビッチ氏が退職に伴い、同年9月2日付で辞任すると発表した。財務担当シニアバイスプレジデントのグレッグ・ゴルコフ氏がCFO代行を務める。
✍️ Quantum Indexの視点
発表内容の背景にある技術・事業上の意味と、数字や見出しだけでは見えにくい評価ポイントを解説します。 独自分析を読む ↓
発表概要
マルコビッチ氏は過去5年間、D-Waveの財務部門を率い、2022年の株式公開や総額9億ドル超の資金調達に関与した。同社によると、今回の辞任は事業運営、会計方針、財務諸表、情報開示、財務報告に関する内部統制などを巡る意見相違によるものではない。 CFO代行となるゴルコフ氏は、上場企業やプライベートエクイティ傘下の技術企業で25年以上にわたり財務・会計業務に携わってきた。2023年5月からD-Waveの財務担当シニアバイスプレジデントを務め、会計、米証券取引委員会(SEC)向け報告、財務計画・分析、資金管理、税務を担当している。就任後はCFO代行に加え、財務・会計の主要責任者を担う。
重要ポイント
- ジョン・マルコビッチ氏は2026年9月2日付でCFOを辞任し、退職する
- グレッグ・ゴルコフ氏がCFO代行と財務・会計の主要責任者に就任する
- 辞任は会計方針や財務報告、内部統制などを巡る会社との意見相違によるものではない
- マルコビッチ氏は2022年の株式公開と9億ドル超の資金調達に関与した
技術・事業上の意味
今回の人事はD-Waveの財務部門における経営体制の移行を示す。社内で会計、SEC報告、資金管理などを担当してきたゴルコフ氏を代行に充てることで、財務報告や内部統制の継続性を重視した人事と捉えられる。一方、量子コンピューティング技術や製品ロードマップの変更は発表されておらず、正式な後任CFOの選定方針や今後の資金調達計画も明らかにされていない。
今後の注目点
今後は、正式な後任CFOの選定方針と就任時期が示されるかが焦点となる。次回以降の財務報告では、開示体制と内部統制が円滑に引き継がれているかに加え、同社が掲げる収益性確保への道筋や資金調達方針が具体化するかが判断材料となる。
✍️ Quantum Indexの視点
今回のCFO退任は、8月17日に行われたKevan P. Krysler氏の取締役・監査委員就任とあわせて見る必要がある。その8日後に5年間財務部門を率いたマルコビッチ氏の退任を発表した。
両人事の直接的な関係は公表されておらず、会社はマルコビッチ氏の退任について、会計方針や財務報告、内部統制などを巡る意見相違を明確に否定している。このため、財務上の問題を示す動きと解釈する根拠はない。一方で、Krysler氏による取締役会側の財務・監査機能の補強と、社内実務を担ってきたゴルコフ氏によるCFO代行への移行が短期間に続いたことは、財務ガバナンスの体制変更として捉えることができる。
焦点は個々の人事より、この体制が一時的な引き継ぎなのか、中長期の財務戦略を見据えた再編なのかにある。正式CFOの選定とともに、Krysler氏が監査委員としてどのような役割を担い、資本配分や情報開示、買収後の事業管理に変化が表れるかが、二つの人事の関係性を判断する材料になる。
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