OptQC、東京都の補助事業に採択 豊島区の光量子コンピュータ開発拠点を1,225㎡へ拡張
OptQCは、東京都の「新産業創出に向けた企業立地支援補助金」で研究開発拠点整備事業の補助事業者に採択された。東京都豊島区の拠点を延床面積1,225平方メートルへ拡張し、光量子コンピュータ光量子コンピュータ光量子コンピューター / Photonic Quantum Computer / Optical Quantum Computer光子や光の量子状態を情報の担い手として利用し、量子計算を行う量子コンピューター。QI補足光子生成、損失、検出、集積化などが性能を左右する。量子ビット数だけでなく、損失率や光源・検出器の性能も見たい。のハードウェア、理論、ソフトウェア、ユースケース探索、事業開発を一体で進める体制を構築する。
✍️ Quantum Indexの視点
発表内容の背景にある技術・事業上の意味と、数字や見出しだけでは見えにくい評価ポイントを解説します。 独自分析を読む ↓
発表概要
既存のIT tower TOKYO 15階では、光学実験や電気制御を中心とするハードウェア開発エリアを増床する。同じビルの23階には、理論研究、ソフトウェア開発、ユースケース探索、知財戦略、事業開発を担う新フロアを設ける。 新拠点は2027年1月の竣工、同年2月の操業開始を予定する。また、2026年7月に稼働を始めた光量子コンピュータ1号機「MoQuren」が置かれる茨城県つくば市の産総研G-QuATや、外部データセンターとNTTの高速光通信基盤「IOWN」で接続する計画である。 東京都の同制度は2026年度に新設され、AI、半導体、量子コンピュータ、核融合などの研究開発拠点や生産拠点の整備を支援する。補助上限は一棟建て区分で50億円、フロア貸し区分で10億円だが、OptQCへの具体的な交付額は公表されていない。
重要ポイント
- IT tower TOKYOの15階を増床し、23階にソフトウェアや事業開発などを担う新フロアを整備する
- 新拠点の延床面積は1,225平方メートルで、2027年1月竣工、同年2月操業開始を予定する
- ハードウェアから理論、ソフトウェア、ユースケース探索、知財戦略までを集約する垂直統合型の体制を目指す
- G-QuATおよび外部データセンターとIOWNで接続する計画である
- 制度上の補助上限はフロア貸し区分で10億円だが、OptQCへの交付額は明らかにされていない
技術・事業上の意味
技術面では、実機の試作・検証結果を理論、制御、ソフトウェアへ反映する工程を近接拠点に集約する点に意味がある。G-QuATに設置されたMoQurenなどの外部設備と高速光通信基盤で結ぶ計画も、複数拠点を使った開発環境の整備に当たる。 事業面では、研究開発だけでなくユースケース探索、知財戦略、事業開発までを同じ拠点に置き、社会実装を並行して進める基盤強化となる。一方、補助額や性能向上への具体的効果、商用化時期、顧客計画は今回の発表に含まれていない。
今後の注目点
まず、2027年1月の竣工と2月の操業開始が予定通り進むかが観測点となる。あわせて、補助金の具体的な交付額、IOWNを介したG-QuATなどとの接続環境の運用内容、新体制による開発成果やユースケースの具体化が公表されるかが、拠点拡張の効果を判断する材料となる。
✍️ Quantum Indexの視点
今回の拠点拡張は、単なるオフィス増床ではなく、OptQCが光量子コンピュータ光量子コンピュータ光量子コンピューター / Photonic Quantum Computer / Optical Quantum Computer光子や光の量子状態を情報の担い手として利用し、量子計算を行う量子コンピューター。QI補足光子生成、損失、検出、集積化などが性能を左右する。量子ビット数だけでなく、損失率や光源・検出器の性能も見たい。の実機開発をより大きな規模で回すための研究開発基盤の増強と見るべきだ。1号機「MoQuren」の稼働、NTTとの資本業務提携、70億円の資金調達に続き、ハードウェア開発を継続的に進めるための設備と人員を受け入れる体制を整えている。
光量子コンピュータは、現段階では多数の光学系や制御機器を組み合わせながら実機を構築・調整する工程が大きく、開発には相応の物理スペースが必要になる。今回、光学実験や電気制御のエリアを増床し、理論、ソフトウェア、ユースケース探索まで同じ拠点に集約することは、実機の試作と評価を繰り返す開発サイクルを回しやすくする意味があると考えられる。
事業面でまず問われるのは、MoQurenに続く2台目、3台目の実機を受注し、顧客先への納品や稼働までつなげられるかだ。量産を議論する段階にはまだ早く、当面は拡張した開発体制によって複数の実機開発を継続して再現性高く回せるか、それが売上を伴う案件として積み上がるかが重要な評価軸になる。
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